「冬のバス」 


 東京で暮らす        

 部屋に電話のない僕に    

 十円玉でいっぱいの     

 ブルーベリージャムの小ビンを

 少し照れながら手渡した彼女 
              

 午後の明るい陽射しのために 
 
 暖かな冬のバスの中     

 長イスに二人座って